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整形外科

整形外科手術件数(-2020年/8年間合計)

整形外科

• 脳性麻痺 537件
• 先天性股関節脱臼 148件
• 骨形成不全症 86件
• 二分脊椎 178件
• 先天性内反足 35件
• 筋性斜頚 12件
(両側例も1件と換算)
など

整形外科新規患者(主な疾患)

• 脳性麻痺
• 二分脊椎
• 先天性多発性関節拘縮症
• 精神運動発達遅滞
• 染色体異常
• 骨形成不全症
• 先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)
• ペルテス病
• 単純性股関節炎
• 化膿性股関節炎後遺症
• 先天性内反足
• 先天性膝蓋骨脱臼
• 先天性・後天性脚長不等
• 先天性絞扼輪症候群
• 屈指症(強剛母指・にぎり母指)
• 多指症・合指症
• 筋性斜頸
• 環軸椎回旋固定位
• 側彎症

脳性麻痺

脳性麻痺は ”受胎から新生児期までの間に生じた、脳の非進行性病変に基づく永続的な、しかし変化しうる運動および姿勢の異常“ と定義され、乳幼児期に発症した脳神経に生じた障害です。早産、低出生体重、子宮内感染、多胎、新生児仮死、脳室周囲白質軟化症、脳出血等が原因です。発育期の運動発達を考え リハビリテーション・療育 を行います。発達を阻害する原因を取り除く目的で 整形外科手術 が必要になることがあります。

整形外科手術

整形外科手術は、皮下切腱術、フェノールブロック、筋解離術、関節観血的整復術、大腿骨骨切り術、腱延長術、腱移行術、関節固定術等があり部位や状態により適応を決定します。状態により術後は装具治療及びリハビリテーションを行っています。

整形外科手術

先天性股関節脱臼(発育性股関節形成不全)

秋冬生まれ、第1子、女児、骨盤位分娩で多く、股関節の開排制限や下肢の脚長差等の所見を契機に診断されます。身体所見、エコー検査、単純X線検査で診断をします。治療日常生活指導や装具で開始します。

股関節脱臼の見分け方
乳児(赤ちゃん)股関節エコー診察

Graf法(2009年〜)による臼蓋形成不全、股関節亜脱臼・脱臼の評価を実施しています。板橋区や総合病院小児科・整形外科、大学病院からの紹介も受け付けています。
この12年間に、先天性股関節脱臼(疑いを含む)の症例数は665例で、そのうち先天性股関節脱臼は192症例でした。

乳児(赤ちゃん)股関節エコー診察
脱臼の程度・位置は多様
治療方法

できるだけ装具や徒手整復による保存治療で治療します。関節内外の要因で整復ができない症例に対しては手術療法を行います。また他院での整復困難例、再脱臼例の治療も対応しています。

① 装具治療 リーメン・ビューゲル装具・ゆるい開排位装具(通称ぶかぶか装具)使用

*ぶかぶか装具は当センター(整肢療護園)の故坂口亮先生考案の装具です

装具治療
② 徒手整復
徒手整復
③ 手術治療 観血的整復術

補正手術の場合は、Salter/Pemberton骨盤骨切り術、大腿骨減捻内反骨切り術

先天性股関節脱臼の疫学調査発表

昭和大学医学部衛生学公衆衛生学講座との共同研究を行い、厚生労働省のNDBオープンデータを用いて、全国規模での先天性股関節脱臼の疫学調査発表(2021.8)

Epidemiology of developmental dysplasia of the hip: analysis of Japanese national database
Hiroki DEN, Junichi ITO, Akatsuki KOKAZE
Jaurnal of Epidemiology 2021年8月

先天性股関節脱臼に対するAI診断に関する研究

AIを用いた単純X線読影にて高い診断精度を証明(2023.4)

脱臼予防に関する資料
赤ちゃんが股関節脱臼にならないように

ペルテス病

ペルテス病は人口10万人に対して約1人程度に発症します。3-12歳(6-7歳が最多)の男児に多く、股関節の大腿骨骨頭の血流障害を病態として骨頭が変形します。一般的に低年齢発症例では、骨頭回復が良く変形のない股関節となることが多いです。
1922年に本疾患の経過を論文発表したスウェーデンのHenning Waldenström先生は、骨関節結核の専門家で、この疾患を“感染症を要因としない段階的変化をきたす疾患”として記載しています。この為、治療は保存的手法が中心となります。ただし、より早い治癒、変形のない股関節を目指す場合には、手術療法を行うことがあります。
重症度をX線やMRI画像等で評価し治療方針を決定します。初期には短期間入院して牽引及びリハビリテーションを行います。保存的治療の場合には、装具を用いることがあります。

ペルテス病
股関節外転免荷装具

骨形成不全症

骨形成不全症は、骨系統疾患の中に分類され、日本整形外科学会骨系統疾患全国登録では登録数が最多(13.1%)です。顔面の特徴、身長、単純X線による全身の検査により診断しますが、軽症型の方は遺伝子診断が必要になります。
病態は、Ⅰ型コラーゲンの質的量的異常で、軽症型から重症型まであり、四肢の変形・関節機能障害・側彎症・低身長など骨格の障害が目立ちます。整形外科では、リハビリテーション、補装具治療、症状によっては手術治療が必要です。
骨折頻度を少なくする為に、「骨形成不全症の診療ガイドライン」(日本小児科学会雑誌.2006年)を基準にしてパミドロン酸二ナトリウムの点滴治療を行っています。特にSillence分類typeⅢなどで、骨の変形が強く立位、歩行に支障を来す場合には、AESCULAP ®︎ telescopic rod(ステンレス製)などを用いて変形矯正骨切り術を行います。

骨形成不全症による骨変形
骨形成不全症の湾曲した大腿骨の矯正骨切り術

先天性内反足

約30年前より小児足の外科の専門病院として、先天性内反足の診療を行ってきました。従来では、主に石膏によるギプス矯正、装具治療、それらにより矯正されない場合は根治手術を行っていました。2010年4月よりPonseti法を導入し、2020 年12月までに生後早期に治療を開始した25例足37足では全例で矯正が可能となり、追加手術は行わずに良好な歩行を維持しています。先天性内反足は内反、内転、凹足、回内、尖足が複合した変形です。主にPonseti法は尖足以外の変形を石膏ギプスで矯正し、残存する尖足変形に対しては全身麻酔下にアキレス腱皮下切腱術を行い、装具により変形の再発を予防する治療法です。約2ヶ月間のギプス治療の後、アキレス腱皮下切腱術を行い更に1ヶ月後頃よりデニスブラウン装具の治療を行います。デニスブラウン装具は約3ヶ月間終日着用、その後4歳頃までは1日12時間(夜間)着用することになります。当センターでは従来から行ってきた足底板や靴を作成し、再発の予防を行っています。

治療開始は早い方が良いのですが、生後1ヶ月以内に治療を開始すれば矯正は可能です。もし事情によりそれ以降になってしまう場合でもご相談ください。

両先天性内反足の治療の経過

麻痺性足部変形

二分脊椎などの先天性麻痺性疾患による小児の足部変形に関して都内で最も多くの診療を行っています。麻痺の程度に応じた足底板、短下肢装具などの補装具による治療が中心となりますが、症例によってはギプス治療や手術治療を行います。ギプス治療は二分脊椎などの知覚障害があるお子さんでは従来ではあまり行われてきませんでした。2010年4月から2012年12月までに二分脊椎の9足に対して創傷保護材などを使用し褥瘡を予防しながらギプス治療を行い褥瘡の発生はありませんでした。ギプスで矯正困難な場合のみ手術治療を行っています。褥瘡の可能性がある内反足変形に対しては2015年より腱延長術、腱移行術、Evans手術を組み合わせた足部再建手術を行い、術後の再発や逆変形による褥瘡を予防するために適切な装具治療を継続するようにしています。将来の関節障害を予防するために出来るだけ距踵関節固定は行なわないように心がけています。

左麻痺性足部変形の治療の経過

*本ホームページでの記載内容はあくまでも一般論であり、個々の患者さんについての治療方針・治療内容は必ずしも一律ではありません。

当センター整形外科が参加する学会主導型臨床研究

① 公益社団法人 日本整形外科学会主導

日本整形外科学会症例レジストリー
JOANR(Japan Orthopaedic Association National Registry)
https://www.joanr.org
整形外科で手術を受けられる患者さんへ


② 一般社団法人 日本小児整形外科学会マルチセンター委員会主導

日本整形外科学会疾患登録(JPOAレジストリー)
http://www.jpoa.org/現在進行中の調査研究/jpoaレジストリー/
小児整形外科疾患患者さんおよび保護者の方へ


問い合わせ窓口

〒173-0037 東京都板橋区小茂根1-1-10
心身障害児総合医療療育センター整形外科
庶務課 課長  伊藤 仁
センター所長  小﨑慶介